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高松高等裁判所 昭和44年(行コ)2号 判決

控訴人

土佐清水鰹節水産加工業協同組合

代理人

徳弘寿男

被控訴人

高知県地方労働委員会

代理人

中平博文

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴代理人は、「原判決を取消す。被控訴人が高労委昭和四一年(不)第三号不当労働行為救済申立事件について昭和四二年四月一七日付でなした命令中、控訴人に対し訴外土佐清水市水産加工労働組合と労働条件改善に関する団体交渉に直ちに応じなければならない旨命じた部分を取消す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする」旨の判決を求め、被控訴代理人は、主文と同旨の判決を求めた。

当事者双方の事実上の主張、証拠の提出、援用、認否は、次に付加するほか、原判決事実摘示のとおりであるから、それを引用する。

(控訴代理人の主張)

(一)  原判決は民事訴訟第一八六条に違反している。

原判決は、その「事実」の欄において、被控訴人(被告)が「原告は、……水産業協同組合法に基づいて設立された協同組合であるが、原告に加入している業者は、その事業のために労働者を雇用しており、訴外労組はこれらの労働者が主体となつて組織されているものである」との主張をしたものと摘示している。しかし、被控訴人はその答弁書(その第三項(一)。なお第一項参照)において、「本件申立事件は、原告がかつお、めじか節加工等の事業に使用する従業員約二五〇名のうち八三名をもつて組織された労働組合と原告との間の不当労働行為事件であること……は認め……」と主張しているにすぎず、控訴人(原告)に加入している業者(事業主)と労働者との間の雇用関係の主張をしていない。すなわち、被控訴人が「控訴人が節加工業を経営し、その従業員として約二五〇名を雇用し、うち八三名が労働組合を組織した」と主張したので、控訴人は右主張を積極否認し、控訴人の使用する従業員は事務員四名にすぎぬと反論したのである。しかるに原判決は、前記のとおりの事実摘示をなし、これに対する判断をしたもので、判決に影響を及ぼすことが明白な法律違反を犯している。

(二)  原判決は、労働組合法第五条の解釈を誤つている。

労働組合が労働組合法上の救済を受けるためには、法人として、もしくは権利能力なき社団として実在しなければならぬことは、労働組合法第五条第一項本文の明定するところであり、同法第五条第二項各号は、社団としての実質的存在を確認するためのメルクマールとなるものである。従つて、右各号の存否が争われるときは、被控訴人労働委員会としてはその存在を確認すべき義務があり、裁判においてその存否が争われるときは、裁判所はこれに対する実質的判断を示さなければならない。

しかるに原判決は、右判断を示すことなく、訴外労働組合の存在を肯定したもので、法律解釈の誤りが存する。

(三)  かりに「労働組合」と称する団体の存在が認められるとしても、その団体の中心的地位を占める者は、社会党生活相談所長と自称する訴外平野久喜(組合長)、元大浜小学校教頭細木高(書記)、船員組合長西川恵与市(顧問)等であり、同人らが政治運動の目的で支配介入していたものであるから、右団体は、労働組合法上の労働組合、すなわち、労働者が主体となつて自主的に組織した団体であるとはいえない。

(被控訴代理人の主張)

(一) 被控訴人が原審で原判決事実摘示のとおりの雇用関係の主張をしていることは、被控訴人提出の答弁書および準備書面(一)により明白である。控訴代理人指摘にかかる部分は、訴状請求原因第三項第一点(不当労働行為救済申立事件において控訴人主張のような内容の申立がなされたこと)に対する認否にすぎず、被控訴人自らがそのような主張をしたのではないことは、答弁書の記載自体により明らかである。

(二) 労働組合法第五条第二項は、労働組合規約に掲記せられるべき要件につき規定しているものであるが、救済申立当時、右要件のうちのいくつかに瑕疵があつたからといつて、直ちに労働組合が存在しないことになるものではない。また、組合規約は、不当労働行為が行なわれた時に法の要件に適合している必要はなく、申立の時ないし救済を受ける時(審問終結の時)までに適合しておれば足りるものと解すべきである。

(証拠関係)〈略〉

理由

一訴外土佐清水市水産加工労働組合(以下訴外労働組合と略称)の名義を以て、控訴人協同組合に対し、昭和四一年二月一日、同月二一日、同年三月三日の三回にわたり、団体交渉の申入れがなされ、控訴人協同組合が団体交渉を拒否したこと、被控訴人地方労働委員会が訴外労働組合名義を以て申立てられた高労委昭和四一年(不)第二号不当労働行為救済申立事件について審査し、昭和四二年四月一七日「控訴人協同組合は、訴外労働組合が要求する労働条件改善に関する団体交渉に直ちに応じなければならない」旨の救済命令を発したことは当事者間に争いがない。

二次に、訴外労働組合が果して団体として実在するかどうか、実在するとして、労働組合法上の要件に適合する労働組合であるかどうかについて争いがあるが、この点についての当裁判所の判断は、原判決七枚目表一〇行目初以下八枚目裏七行目終りまで(原判決理由の二の項)のとおりであるから、それを引用する。ただし、左のとおり、付加、訂正の上引用する。

(1)  原判決七枚目裏末行の「……委嘱する旨定めたこと、」とある次に、「組合事務所は土佐清水市元町船員会館、土佐鰹船員組合事務所内に置く旨定めたこと(ただし間もなく同市天神町五の三に移転した)」と付加する。

(2)  原判決八枚目裏二行目の「原告代表者尋問の結果」とあるのを「原告代表者尋問の結果(原審および当審)」と改める。

控訴人は、原判決は労働組合法第五条の解釈を誤つていると主張する(控訴人の当審における主張の(二))ので、この点につき説明を付加する。

労働組合の規約に労働組合法第五条第二項各号に掲げる規定を含んでいることと、その規約が実際に履行せられているかどうか、あるいは遡つては労働組合と認めるに足る社団が真実存在するかどうかということとは、別論であることはいうまでもない。しかし、原判決は法定の条項を含んだ規約が存在することから直ちに適法な組合が存在する旨を認定したものではない。むしろ、原判決は、証拠により、法の規定に適合した組合規約をそなえ労働委員会による救済に値する労働組合が成立した旨を認定しているのであつて、その認定は維持することができる。所論は判文を正解しないものか或は独自の見解に基くもので採用できない。

また控訴人は、かりに「労働組合」と称する団体の存在が認められるとしても、労働者以外の者が政治運動の目的で支配介入している団体であるから、労働組合法上の適法な組合であるとはいえない旨主張する(控訴人の当審における主張の(三))。

しかし、原判決挙示の証拠によると、訴外労働組合は、水産加工物の製造に従事する労働者が主体となり自主的に結成した組合であることを認めるに足りる。もつとも、右証拠によると、労働者のほとんどが女子労働者であり、組合運動にも不馴れであつたため、水産加工業者と雇用関係のない訴外の細木高や平野久喜の指導、援助を受けたこと、訴外平野久喜はその後組合長にもなつたこと、組合のその後の団結は必ずしも強固ではなく、経済的基礎も充分なものでなかつたこと、がそれぞれ窺えないではないが、それだからといつて直ちに、訴外労働組合が労働者が主体となつて自主的に結成した組合でないことになるものではない。控訴人のこの主張も理由がない。

三そこで次に、訴外労働組合の控訴人協同組合に対する団体交渉権の有無について判断する。

控訴人協同組合が、土佐清水市におけるかつお節やめじか節の製造販売を営む水産加工業者の加入により、水産協同組合法に基づいて設立された協同組合であることは、当事者間に争いがない。

〈証拠〉を綜合すると、土佐清水市においては、水産加工業が市の基幹産業となつていて、昭和四一年二月当時、かつお節、めじか節の加工等を営む業者が四三名位おり、そのうち四〇名位が控訴人協同組合に加入しており、これに加入していない業者は別に本業を有し副業的に水産加工業を営む者にすぎなかつたこと、市内で水産加工の労働に従事する労働者は総数で五〇〇名位、そのほとんどは女子で、各業者にそれぞれ使用されて働いているが、季節によつて漁獲量に著しい変動がある(かつおは、四月頃から八月頃まで、めじかは、一〇月頃から三月頃までが豊漁期であるが、最近ではかつおが殆んどとれず、めじかが主体になつている)ので、豊漁期には多数の者が就労するが漁閉期にはごく少数の者が就労し、また、その日の漁獲の多寡によつても就労する人数が異なること、女子労働者には家庭の主婦が多く、就労しない場合には、家事や農業に従事し、その日急に呼ばれて就労しに出るような場合もあること、ただしかし、これらの労働者はその都度異なつた業者の許で就労するのではなく、ほとんど毎年特定の業者の許で就労し、それぞれの業者(これを納屋と俗称する)ごとにその支配下にある労働者の範囲が大体定まつていること(旧正月の前後に業者と労働者の間で向後一年の就労の可否について確かめ合うことが多い)、同一の業者の支配下にある労働者の中にも常傭又は長期と称せられるグループと臨時又は単期と称せられるグループがあり、業者は、前者のグループには非就労時に失業保険給付を受けさせる目的で最少限度の日数を優先的に就労させると共に後者のグループについても就労させる大体の順序を定めていること、労働者が一の業者から他の業者へ移ることは殆んどなく、移る時には業者へ申し出をするのが通例であること、労働条件(主として一時間あたりの賃金の額)は、控訴人協同組合において基準を定めて各業者はほとんど例外なくこれに従つていること、以上は永年の慣行により形成されてきた雇用形態で、この形態は特別の事情が生じない限り将来も継続するものと予測されること、控訴人協同組合の区域は土佐清水市の越、清水、中ノ浜、大浜、松尾、伊佐等であるが、右の中浜地区、大浜地区の業者に雇用されている労働者のうち約六〇名(うち常傭が約二五名)が前述のように訴外労働組合を結成したこと、以上の事実を認定することができる。証人那須喜雄の証言および控訴人代表者尋問の結果(原審および当審)中、右認定に反する部分は信用できず、他に右認定を覆えすに足りる証拠はない。

右認定事実によつて考えるに、各労働者が常時ないしは一年を通じてそれぞれの各水産加工業者に雇用されているものと解することはできない。労働者と業者との間の雇用関係は時折中断し、その断絶の時点および期間は各労働者について区々であると解するほかはない。しかしながら、労働組合法が不当労働行為制度を設けた精神からいつて、民法上の雇用契約が一時的に中断しているからといつて、その一事から労働者の団体交渉権を否定する解釈は当を得ないであろう。むしろ本件のように、一定の地域において、使用者側の者と労働者側の者との間において日々又は季節的な雇用が恒常的に繰りかえされ、特別の事情のない限り将来雇用されることが確実な場合には、雇用関係の存在する場合と実質上差異がなく、将来の労働条件について使用者と団体交渉をする必要性の存することもいうをまたない。そうだとすると、労働組合法第七条第二号にいう「雇用する労働者」には本件のような雇用関係に準ずる関係のある労働者を含むものと解釈するのが相当である。

してみれば、訴外労働組合が控訴人協同組合へ団体交渉を申入れた時点において、どの労働者とどの業者との間に雇用関係が存したかについて審究するまでもなく、訴外労働組合は各業者に対し団体交渉をする権利を有していたといわなくてはならない。

なお、控訴人は、控訴人協同組合に加入している組合員(業者)と労働者との雇用関係は、本件訴訟において被控訴人の弁論にあらわれておらず、この雇用関係について認定、判断することは弁論主義の違背である旨主張する(控訴人の当審における主張の一)のであるが、しかし、原審で陳述された被控訴人の答弁書および昭和四三年一二月一〇日付準備書面ならびに弁論の全趣旨によれば、直接の表現はともかく、被控訴人の主張の趣旨とするところは、原判決事実摘示のとおりであると認められる。そもそも本件訴訟は救済命令の取消訴訟であり、被控訴人は自らの発した救済命令を適法であると主張しているものであるところ、その救済命令書(乙第一号証)では、控訴人協同組合に加入している各業者がその事業のために日々又は季節的に労働者を雇用していること、訴外労働組合は右の労働者が主たる構成員となり結成された組合であること、控訴人は単に事業者団体たるにとどまらず使用者団体としての性格を有すること等を認定した上、訴外労働組合よりの団体交渉に応ずる義務ありと判定しているのであるから、本件訴訟でも各業者と労働者との雇用関係について主張があるものと解すべきは当然である。被控訴人の答弁書第三項(一)に、控訴人指摘のような記載があるが、これは訴状の請求原因第三項第一点に対する認否であつて、控訴人主張のような不当労働行為申立事件が係属したことを認めるという趣旨にすぎないこと、答弁書の記載自体よりして明らかである。そればかりではなく、当審において、被控訴代理人が原判決事実摘示に基づき原審口頭弁論の結果を陳述し、控訴人のこの点の主張に対して前摘示のような反論を行なつたことにより、各業者と労働者との間の雇用関係の主張は明瞭に弁論に現われたというべきであつて、控訴人の主張は理由がない。

四よつて進んで、控訴人協同組合が団体交渉に応ずる適格を有するかどうかについて検討する。

一般に、事業協同組合は、中小企業の経済活動を助長するため特別法を以て認められた事業者団体であり、その組合員(業者)に雇用される労働者の労働組合に対応する団体ではないから、事業協同組合が法律上当然に労働組合と団体交渉をし、労働協約を締結する能力を有するものと解することはできない。しかしながら、事業協同組合は業者の任意加入の団体であつて、絶対に使用者団体としての機能を営んではならないという要請はないから、協同組合の定款に規定がある場合とか、組合員からの委任があつた場合には、その規定又は委任の範囲において、その組合員の雇用する労働者と団体交渉をなすことができるものと解すべきである。

これを本件についてみるに、控訴人協同組合の定款には、その組合員の雇用する労働者との団体交渉について何らの規定がなく、組合員が控訴人協同組合に明示的に団体交渉を委任したと認めるに足る証拠もない。しかしながら〈証拠〉を綜合すると、控訴人協同組合に加入している業者(組合員)らは、各業者ごとに賃金、労働時間等の労働条件が区々になることはお互の利益に反するとして、控訴人協同組合において労働条件の一般的基準を定めるのを永年の例としていたこと、たとえば、「女工賃金勤務時間は春分から秋分まで午前六時から午後七時まで、秋分から春分まで午前七時から午後五時までとし、一時間三五円。時間外は労働基準法の定めによる。節削り女工賃金午前七時より午後五時まで(昼食一時間の休憩を含む)を勤務時間として、本節四貫本節貫当り九〇円、亀節四貫五〇〇として亀節貫当り八〇円」(以上昭和三七年二月二日開催控訴人協同組合議事録より抜萃。この基準を当時存在していた労働組合である水産加工職工組合へ申入れた)、「バラヌキは各地区共通で一時間五五円。削りは手削り本節四貫、亀節四貫五〇〇匁で一日五百円とし、昭和三九年五月十六日より実施する事に決定」(以上昭和三九年五月一五日通常総会議事録より抜萃)、「四〇年度の各納屋の女工賃金は一時間(時間内)六五円、(時間外)八〇円、(深夜)九五円」(以上昭和四〇年四月三日臨時総会議事録より抜萃。この基準で労務者側と懇談し確定の上は昭和四〇年四月一日より実施することとされた)、というように控訴人協同組合の総会で一般的基準を審議し、その基準を決定した上は、各業者はほとんど例外なく右基準に従い労働者と契約していたこと(もつとも、始業時間、終業時間、昼食時間等の定めは、必ずしも厳格に守られていなかつたようである)、右のような事情で労働者は各業者に個別に賃金等の労働条件の改訂を求めても実際上実現が不可能であつたから、賃金値上その他の要求は控訴人協同組合に対してなすのを例とし、昭和三七年当時存在していた労働組合である水産加工職工組合は控訴人協同組合と団体交渉を行ない、その目的を達したこと、右労働組合が間もなく消滅してからも、労働者を代表する者(各納屋あるいは各地区からの代表者)も控訴人協同組合と賃金値上等を折衝していたこと、昭和四一年一月二三日訴外労働組合が結成されて以来、控訴人協同組合に属する各組合員(業者)は度々会合を開いて対策を協議し、あつせんに先立つ実情調査のため現地を訪れた被控訴人労働委員会の担当職員に対し、控訴人協同組合の役員らは、「あつせんにせよ、団交にせよ、各業者個別でなく、協同組合として態度を表明する」旨述べていたこと、控訴人協同組合は、昭和四一年四月九日付の文書を以て、被控訴人労働委員会のあつせん員会会長広松万亀男に対し、「もし当組合員に雇用された従業員が自主的に労働組合を組織し、その組合が当方に団体交渉を要求するならば、当方はいつでもそれに応ずる用意のあることは、屡々申述べてきたところであり、現在でもその意思のあることは断言できるところであります」云々と意思を表明していること、がそれぞれ認められ、証人那須喜雄の証言および控訴人代表者尋問(原審および当審)の結果中、右認定に反する部分は信用できず、他に右認定を覆えすに足りる証拠はない。右認定の各事実を綜合すれば、控訴人協同組合は、現在においても、前記載のような労働条件の基準を定める範囲において、その組合員から、黙示にその雇用している労働者の代表者と団体交渉をする権限の委任を受けているものと推認することができる。もつとも、〈証拠〉によると、控訴人協同組合の昭和四一年二月二日の臨時総会議事録中には「細木が労働組合を作つたと称しているのは選挙を有利にするための事前工作としか考えられないので、たとえ細木氏が労働組合名義を使用してきても、この問題について当組合は一切交渉に応じないことを決議した」と記載されていることが認められるが、右記載は前認定のような従前からの控訴人協同組合並びに組合員たる労働者との間における交渉の実情その他控訴人協同組合の態度等から判断すれば、この場合は前示細木高の選挙目的に利用されることをきらい一種の口実を構えて、右細木が労働組合名義を使用して交渉に来てもそれには応じないことを決議したことを意味するにとどまり、前認定のような労働者の代表者と団体交渉をする権限を否定し、もしくは、委任を撤回する趣旨であるとは解することができない。ほかに前記の認定を左右するに足る証拠はない。そうだとすると、控訴人協同組合は訴外労働組合からの団体交渉の申入れに応ずる義務があるというべきである。

五なお控訴人は、本件の救済の申立は、訴外平野久喜が個人としてなしたものであると主張するが、さきに認定したところと、成立に争いのない乙第一号証の二、三によると、本件救済の申立は、訴外労働組合がなしたものであること明白である。

六以上の次第であるから、控訴人協同組合は訴外労働組合が要求している団体交渉に応ずる義務があり、本件救済命令には何ら取消の原因となる瑕疵はない。これと同趣旨の原判決は相当であり、本件控訴は理由がない。

よつて本件控訴を棄却することとし、控訴費用の負担につき民事訴訟法第八九条を適用の上、主文のとおり判決する。

(橘盛行 今中道信 藤原弘道)

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